今回は、足の指から足の甲、足首の前側、すねの外側にかけてつってしまった場合の治し方、ストレッチのやり方などをお話しします。
寝ているときや、足が疲れているときに、足がつって痛くなることがありますね。
一言で「足がつる」といっても、実は、つっている部分によって、対処方法も違ってきたりします。
もっとも多いのは、こむら返りともいわれる、ふくらはぎがつることですが(”こむら”というのは、ふくらはぎのことです。)、今回はその逆側、足の指から足の甲、すねの外側にかけてつってしまった場合について、お話しします。
足がつるとはどういうことか
普段、力を入れていないリラックスしている状態だと、筋肉は弛緩しています。
それがぐっと力を入れることで、筋肉は緊張し、収縮します。
いわゆる「足がつっている状態」とは、本人が意識していないのに、足の筋肉が異常に収縮し、痙攣して伸びなくなっている状態のことをいいます。
ではなぜそんなことが起こるのでしょうか。
その原因として主にいわれているものをご紹介します。
足がつる原因
カルシウムやマグネシウムなどのミネラル不足
筋肉を収縮させるためには、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが必要です。
そのため、ダイエットなどによって栄養が不足し、ミネラルのバランスがくずれていると、足がつりやすくなってしまいます。
血行不良
体が冷えることによって、血行が悪くなってしまうと、筋肉や神経に栄養が渡らなくなってしまい、働きが鈍ってしまいます。
そのため、足がつりやすくなってしまいます。
水分不足
水分が不足していると、血行が悪くなり、筋肉や神経に栄養が渡らなくなってしまいます。
また、体のミネラルバランスがくずれることで、足がつりやすくなってしまいます。
筋肉疲労
激しい運動をしたり、長い時間歩き続けていたりして、足の筋肉が疲労していると、足がつりやすくなってしまいます。
これはさきほどのミネラル不足と関連していて、運動をして筋肉を使うと、ミネラル分が消費されてしまいます。
また、水分も不足することでミネラルバランスがくずれてしまいます。
すると、筋肉や神経の動きを調整するミネラルの働きが乱れ、筋肉が痙攣してしまいます。
足の指から足首の前側、すねの外側にかけてつってしまったときのストレッチのやり方
足がつっている状態というのは、筋肉が収縮して伸びなくなっている状態です。
ですから、足がつってしまったときは、その収縮している筋肉を伸ばすようにストレッチをするといいです。
ところで、今回は、ふくらはぎがつってしまった場合ではなく、足の指から足の甲、すねの外側にかけてつってしまった場合について、と始めにお話ししました。
なぜ、ふくらはぎがつってしまった場合と、足の指から足の甲、すねの外側にかけてつってしまった場合とで分けているかというと、それぞれストレッチの仕方が違うからです。
当院のお客さまといろいろお話しをしていると、このストレッチのやり方を間違っている人がとても多いです。
間違ったやり方では効果がありませんので、注意してください。
ふくらはぎがつった場合と、足の指からすねの外側にかけてつった場合の筋肉の違い
それでは、ふくらはぎがつった場合と、足の指からすねの外側にかけてつった場合は何が違うのか。
要は、収縮している筋肉が違います。
ふくらはぎがつった場合は、腓腹筋など、下腿の後ろ側にある筋肉が収縮しています。
それに対して、足の指から足の甲、足首の前側などがつった場合は、足指を上に反らせる筋肉(長趾伸筋、長母趾伸筋など)や、前脛骨筋など、下腿の前側にある筋肉が収縮しています。
ですから、足がつってストレッチをする場合は、ストレッチの方向がまったく逆になってしまいます。
普段から足首の前側やすねの外側がだるくなったり痛みを感じたりしている場合は、前脛骨筋などがこわばって固くなっている可能性が高いです。
こちらの記事でわかりやすく解説していますので、あわせてご覧ください。
すねの外側の筋肉がカチカチに張る原因とは?前脛骨筋のこりを柔らかくする方法
足がつってしまったときに(もし余裕があれば)、足の指がどちらに曲がっているか見てみてください。
もし、下腿の前側がつっている場合は、足の指は手前(足の甲側)に曲がっているはずです(筋肉が異常収縮しているので、何もしていなくても、勝手に指が反ってしまう)。
足の前側がつってしまった時のストレッチのやり方
さて、足がつってしまったときのストレッチで一般的なのは、つま先をつかんでこちらに引っ張るやり方です。
このやり方は、ふくらはぎのストレッチですので、下腿の後ろ側がつってしまった場合(一般的なこむら返り)の対処法になります。
下腿の前側がつろうが、後ろ側がつろうが、関係なくこのストレッチをやってしまっている人が多いです。
しかし、今回の足の指から足の甲、足首の前側、すねの外側がつってしまった場合はまったく反対ですので、このストレッチは間違いです。
下腿の前側がつってしまった場合のストレッチは、つま先をこちらに引っ張るのではなく、つま先を向こう側に倒します。
こうやってつま先を向こう側に伸ばすと、下腿の前側の筋肉が伸ばされ、異常収縮している長趾伸筋や長母趾伸筋などが正しくストレッチされます。
膝を伸ばした状態で足首を伸ばすのが難しい場合は、あぐらをかくような体勢でも大丈夫です。
また、立った状態でもできます。
つま先を床に当て、足首を反らすようにします。
足がつる場合の対策
水分をしっかりとる
水分が不足していると、足がつりやすくなってしまいますので、普段から水分をしっかりとるようにしてください。
当院のお客様にこう言うと、「しっかり水分はとっているつもり」という人が多いのですが、もし、コーヒーやお酒などをよく飲んだりしているようなら、控えるようにしてください。
コーヒーなどのカフェイン飲料やお酒には利尿作用がありますので、たくさん飲んでいると、体の水分がどんどん出て行ってしまいますので、注意してください。
適度な運動
普段から運動をしていないと、足の筋肉が硬くなってしまい、血行が悪くなってしまいます。
適度に体を動かすようにして、血行をよくするようにしましょう。
お風呂でゆるめる
足の筋肉が疲労したり硬くなってしまっているときは、湯船につかって温めると足の筋肉がゆるみ効果的です。
足を酷使した日はマッサージ
長時間歩いたりして、足を酷使した日は、マッサージをしたり、ストレッチをしたりして、なるべく足に疲労を残さないようにしましょう。
まとめ
今回は、足の指から甲、足首の前側、すねの外側がつる場合についてお話ししました。
一般的なこむら返りとは痙攣している筋肉が違うため、対処方法も違ってくる、ということに気を付けてください。
あまりに頻繁に足がつるようであれば、医療機関を受診するなど、ご自身で対策してください。
以上、「足の指から足首の前側、すねの外側にかけてつる原因とストレッチのやり方」でした。